研究概要 |
スイスのCERN研究所の加速器を使って日本とヨーロッパと共同して推進している研究“ミューニュートリノからタウニュートリノへの振動を調べるCHORUS"の為に名古屋大学からCERN研究所への人員の派遣費用とCERN側から名古屋大学で行う研究作業の支援の為の費用に当費用を使った。 共同研究CHORUSは1994-1995年に第1次実験(ニュートリノの照射)を行い、現在は第2次実験を行っている。 CHORUS推進に当たって、長期・短期にわたって日本側のメンバーがCERNで仕事をしているが、常時ヨーロッパ側からも名古屋大学に来てエマルション自動解析装置による解析作業に参加している。この間2ヶ月に1回(4月,6月,9月,12月)の割合で合同会議を開いており、年に1回は名古屋大学で開催してきている。1996年10月の名古屋大学での合同会議には22名がヨーロッパから参加した。 これまでの研究で得られた途中結果を1996年5月にヘルシンキで開かれたニュートリノ96のconf.で発表した。それ以後当グループの発表した国際会議は10月の高エネルギー研究所で開かれたTopical conference on flavour physics、核研主催のThe 25th INS international symposium on nuclear and particle physics with high intensity proton accerelator,、アデレ-ドで開かれたTopical workshop on neutrino physics,などである。 この間の共同研究を通して、ナポリ大学とCERN研究所が名古屋大学の開発したエマルション自動解析装置の輸入を決めるなど、名古屋大学で開発したオリジナ技術の世界に向けた発信も進んできた。 今後CHORUSは本年10月にニュートリノの第2次照射を完了し、それ以後2年間の解析をヨーロッパと共同で進める。またCHORUSの順調な進展を受けて、さらに10倍以上の感度を持たせたニュートリノ振動の計画をCHORUSグ-ルプと共に準備しており letter of intentがまとまった。
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