偏微分方程式に関する協力研究(楕円型方程式と放物型方程式の解の局所的構造と大域的構造)

1997 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 08045024
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 大鍛治 隆司 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20160426)
• 研究分担者: FERONE Vince ナポリ大学, 理学部, 助教授 ; TROMBETTI Gu ナポリ大学, 理学部, 教授 ; 渡辺 信三 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90025297) ; 土居 伸一 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00243006) ; 伊藤 宏 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90243005)
• キーワード: 楕円型方程式 / シュレ-ディンガー方程式 / 強一意接続性 / 特異性の伝播 / 平滑化効果

研究概要

平成9年4月、岩崎がドイツのオ-ベルヴォルハッハ数学研究所で行われた国際研究集会「擬微分作用素と超局所解析」に出席し、各国の研究者との意見交換、最新の研究知識を取得した。ついで、平成9年7月、ナポリ大学側研究者DeCarli氏に来日してもらい、日本側研究者大鍛治と楕円型作用素の解の強一意接続性に関する共同研究を開始した。平成9年9月には大鍛治がナポリ大学を訪問し、互いの研究状況の進展を確認するとともに先の共同研究をさらに発展させた特異ポテンシャルを持つシュレ-ディンガー作用素の場合に拡張を試みた。その後平成10年2-3月に再びDeCarli氏に来日してもらい共同研究の最終調整と取りまとめに関する打ち合わせを行なった。この間平成10年1月に岩崎の急死に伴い、日本側研究者土居を研究計画の再調整ならびに共同研究の進展のため平成10年3月にナポリ大学に派遣した。
また、Trombetti、Ferone両氏はRearrangement法による非線型楕円型作用素の解の滑らかさの研究、DeCarli氏はフーリエ解析における制限定理に関する研究、大鍛治は対称構造に着目した新しい方法による偏微分方程式の解の特異性の伝播に関する研究、土居はRiemann多様体上の時間依存シュレ-ディンガー作用素の解の平滑化作用に関する研究、伊藤はディラック作用素の散乱逆問題に関する研究を行った。

研究成果

• [文献書誌] Okaji, T.: "Uniqueness of the Cauchy problem for elliptic operators with fourfold characteristics of constant multiplicity" Comm.P.D.Eqs.22. 269-305 (1997)
• [文献書誌] Alvino, A.;Ferone, V.;Trombetti, G.: "A remark on the regularity of solutions of nonlinear elliptic equations" Matematiche(Catania)51. 2. 459-472 (1997)
• [文献書誌] Ferone, V.;Fusco, N.: "VMO solutions of the N-Laplacian with measure data" C.R.Acad.Sci.Paris Ser.I Math.325. 4. 365-370 (1997)
• [文献書誌] Alvino, A.;Ferone, V.;Trombetti, G.;Lions, P.-L.: "Convex Symmetrization and applications" Ann.Inst.H.Poincare Anal.Non Lineaire 14. 2. 275-293 (1997)
• [文献書誌] De Carli, L.: "Unique continuation for a class of higher order elliptic operators" Unique continuation for a class of higher order elliptic operators. 1. (1997)
• [文献書誌] Doi, S.: "Smoothing effect for Schrodinger evolution equation via commutator algebra" Seminaire surles Equations aux Derivees Partielles. XX. (1997)