研究課題
国際学術研究
楕円型方程式の解の一意接続性に関する研究が大鍛治、De Carliによって行われた。まず大鍛治は、高多重度を持つ楕円型作用素の一意接続性について研究を行い、その多重度が一定で高々4のとき、ある条件の下に一意接続性が成り立つことを証明した。この結果から特にPlis型作用素に関しては長年未解決であった4階の場合に一意接縮生が成り立つことがわかった。6階以上のPlis型作用素は一般に一意接続性が成り立たないことが知られているので、これにより未解決なのは5階についてのみとなった。さらに、特異なポテンシャルを持つシュレーディンガー方程式に対する一意接続姓およびDirac方程式の解の強一意接続性についての共同研究が大鍛治とDe Carliによって行なわれた。特に、Dirac作用素の場合はスカラーCoulombポテンシャル型の場合には常に強一意接続性が成り立つことを示し、また一般のポテンシャルの場合にはそのマトリックスポテンシャルが正・負各々の状態に働く際これらの間の遷移が少ないという仮定が重要であることを明らかにした。次にSchroedinger型方程式の解の局所的・大域的構造、特に超局所解析的方法による平滑化効果ならびに特異性の伝播についての基礎構造の詳細な研究が大鍛冶、土居によってなされた。また、楕円型方程式の解についての基礎構造の詳細な研究がFerone、Trombetti、Alvino、Posteraro達によって行われた。彼らは対称化法による比較定理とその応用、実関数論的方法を用いた非線形楕円型・放物型方程式に対する解の存在となめらかさおよび変分問題等について研究を行った。
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