1996 年度実績報告書

工学系高等教育における一般教養教育が果すべき役割に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号	08045044
研究機関	金沢工業大学
研究代表者	札野順金沢工業大学, 工学部, 教授 (90229089)
研究分担者	GIBSON J.Dar ローズ, ハルマン工科大学・工学部, 教授 RICHARDS Don ローズ, ハルマン工科大学・工学部, 準教授 WAITE Lee ローズ, ハルマン工科大学・工学部, 準教授 WAITE Ruth ローズ, ハルマン工科大学・工学部, 準教授 PICKETT Will ローズ, ハルマン工科大学・工学部, 教授山本敏幸ローズ, ハルマン工科大学・工学部, 助教授 CLARK Scott ローズ, ハルマン工科大学・工学部, 助教授 LEUGENBIEHL ローズ, ハルマン工科大学・工学部, 教授 TILSTRA Luan ローズ, ハルマン工科大学・工学部, 助教授 MITRAーKIRTLE ローズ, ハルマン工科大学・工学部, 助教授藤本元啓金沢工業大学, 工学部, 講師 KELLOGG Guy 金沢工業大学, 工学部, 講師 ROGSTAD Scot 金沢工業大学, 工学部, 講師札野寛子金沢工業大学, 工学部, 助教授 (20229090) BARKSDALE Le 金沢工業大学, 工学部, 教授伊藤啓一金沢工業大学, 工学部, 教授 (70176329) 佐伯宣親金沢工業大学, 工学部, 教授 (90178814) 藤島秀隆金沢工業大学, 工学部, 教授 (90064427) 河端裕金沢工業大学, 工学部, 教授 (70139757) 安田正志金沢工業大学, 工学部, 教授 (00089012)
キーワード	工学教育 / 一般教養 / リベラル・アーツ / ABET / 教育評価 / アクレディテーション / アセスメント / 認可基準
研究概要	平成8年度は、本研究の初年度であるので、基本的な情報収集、特に、米国の工学教育の動向に関する調査を中心に行った。その結果、以下のような知見が得られた。 1.現在、米国の大学における工学教育は大きな変革期を迎えている。この動きは、産業界からの強い要請に加えて、米国工学教育協会やABET(Accreditation Board for Engineering and Technology)のリーダーシップによるものである。特に、工学系教育プログラムの唯一の認可団体であるABETはその認可規準を全面的に改定し、新基準Engineering Criteria2000を2001年から認可を申請する全てのプログラムに適用する。 2.上記の新基準に反映されている新しい方向性は、従来にような教育プログラムの教授内容の審査から、そのプログラムを修了した学生の達成度の評価への移行である。従って、ABETの認可を受けようとする全てのプログラムは教育アセスメントのシステムを構築することを要求されている。 3.工学系プログラムを修了した学生に期待され、一般教養教育に特に関連の能力は、次のように定められている。(Engineering Criteria 2000 Criterion 3 より抜粋・翻訳・引用) (1)職業上及び倫理上の責任の理解 (2)効果的なコミュニケーション能力 (3)工学上の問題解決が与える影響を、社会及び国際世界の文脈で理解することができる広い教養 (4)生涯学び続けることの必要性を理解し、実践する能力 (5)今日的な問題に対する知識 4.今後の工学系高等教育では、上記の目標を認識し、達成できるような一般教養教育カリキュラムが必要である。 5.米国では、ローズ・ハルマン工科大学やウ-スター工芸大学をはじめいくつかの大学が、新基準の思想を取り入れた新しい一般教養教育に関する取り組みを始めている。