研究課題
本年度は、日常的な研究活動に加え、1)第二回ワークショップ(平成9年7月7日〜10日/金沢工業大学において)、及び2)第二回共同運営会議(平成9年11月23日〜26日/金沢工業大学において)を開催した。また、研究代表者及び本学側共同研究分担者のうち数名は、昨年度ローズ・ハルマン工科大学で開催された第一回ワークショップの成果報告を、本学の全教職員が集まる会議(学部会)において発表し、さらに、その内容をまとめ、本学の教育研究紀要である「KIT Progress」に掲載した。本年度の研究活動の結果として、次のような知見が得られた。1)激変する世界情勢、情報量の爆発的増加、コミュニケーション手段の革新、経済・労働市場のグローバル化などを考慮すれば、新世紀を担うエンジニアの教育には、これまでのパラダイムでは対応できないことが、米国では認識されている。しかし、我が国では、このような認識はまだない。2)日本の新制大学設置の理念である「自由市民を育成するための一般教育」という考えは具現化されず、形骸化・空洞化の道をたどってきた。1991年「大学設置基準の大綱化」の後も、状況はさらに悪化し、「専門教育偏重」がさらに進行している。3)大学教育の理念・目的を真剣に議論し、教育目標の明確化を図り、それを学生並びに教職員全員が共有する必要がある。4)共有された教育目標を基に、その目標達成のために最適なカリキュラムの設計が必要である。その際、人為的な専門/一般などの区別を撤廃し、カリキュラム全体を通しての新しい一般教育(New General Education across the Curriculum)を目指すべきである。5)学生が、達成目標・向上目標を理解し、それをどの程度修得しているかを把握するための教育成果アセスメント(Outcomes Assessment)のシステムの構築が不可欠である。
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