研究課題
1 水文観測観測流域を日中双方で相談し、あまり詳しい観測結果が得られていない、中国黒龍江省大興安嶺の新林区とした。日本の自動記録水位計を、次年度に自動雨量計を設置し、保守を現地の人に頼んだ。また新林での年間を通しての降水、河川水の採取を中国の共同研究者に実施してもらった。他地域の河川水および飲料水の採取も行った。また冬季には、雪氷調査を実施し、積雪の採取も実施した。平成10年10月に日本で共同研究者が集合し、研究発表会を行い、成果の整理や報告方法などを話し合った。2 新林での水位観測結果から、この地域の水文特性を得ることができた。春先の雪解けから、凍結期に入る9月末までの期間は、降雨に関連した流量が増加し、雪解け時の流量は割合少ない。また、1998年の中国の洪水時には、この地域でも平年値以上の流量が観測された。3 冬季の積雪調査から、積雪量は少なく、しもざらめ雪の発達が顕著な地域であることがわかった。また年間を通しての降水の化学特性も、日本の長岡とはかなり異なる。pH値はより大きく、主要イオン構成も、海の影響の大きい日本とは異なり、大陸の土壌成分の影響が大きい。4 飲料水中の有機ハロゲン化合物の分析から、斬林地区もハルビンの飲料水も、日本の現行の水質基準を越えた試料はなかったが、イオン種の存在割合の違いがみられた。5 河川の断面形態等を調査し、水文気象データの収集を実施したが、中国内の事情もあり、データ収集は非常に難しくなっており、今後の課題となった。
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