研究分担者 |
PONGSATORN S カセサート大学, 工学部, 講師
TANYA Niyama カセサート大学, 工学部, 講師
VARAWOOT Vud カセサート大学, 工学部, 助教授
JESDA Kaewku カセサート大学, 工学部, 助教授
BANSHAW Baha カセサート大学, 工学部, 助教授
佐久間 泰一 筑波大学, 農林工学系, 講師 (10133589)
真板 秀二 筑波大学, 農林工学系, 講師 (50015864)
杉山 博信 筑波大学, 農林工学系, 助教授 (60015807)
小池 正之 筑波大学, 農林工学系, 教授 (60032306)
|
研究概要 |
本研究の基礎的背景をなす気象・水文および土壌流出に関する事項については,チャオプラヤ河流域およびメクロン河流域における観測体制の現状を把握するとともに,王立灌漑極(RID)を中心とする観測網の中から,本研究の目的に合致した観測地点の選定と観測記録の入手を行った。これは,RIDの協力により,電子記録の形態で供給された。タイでは観測体制が比較的整備されており,省庁間の連絡体制,データの公開性が極めて良好であることが確認でき,今後の研究の推進にめどをつけることができた。 農地の形態および用水管理に関しては,タイ中央平原の北部チャイナ-ト市近郊ボロマタ灌漑地区内に4個所の調査地区を設定し,詳細な地図を入手するとともに,タイ側分担者の協力を得て,乾季水田作を対象に,用水の配分状況および耕作進行状況の観測と,農家に対する農業労働力および農業機械所有状況の聞き取り調査を実施した。これは,農地の形態すなわち,圃場整備済み地区,エクシテンシヴ地区(水田間掛け流しシステム)と支線用水路の上流部,下流部に分けて実施しており,これによって今後,各要因の影響度を分離して検討することができる。このような末端圃場レベルでの観測はこれまでになされたことがなく,タイ側にとっても極めて貴重なデータとなった。 より上位の用水管理体制および用水管理に関する農民組織の設立,活動状況については,用水管理事務所での聞き取りを行い,ボロマタ地区全体の状況を把握した。制度としては,Water Master(4人),Zone Man(42人),Ditch Tender(250人)によって,幹線レベル,支線レベルの用水配分が管理されることになっているが,実際には農家による自由な取水が定着しており、乾季に用水配分を受けることができる地区が指定されているにもかかわらず,現実にはそれが守られていない。末端農民組織もそのほとんどが壊滅状態であることを把握するとともに,少数の良好に運用されている農民組織については,聞き取り調査によって,その特徴を把握した。 農業機械・器具および農作業システムの基礎的資料を収集するとともに,機械の走行基盤である水田土壌の力学的挙動に関する特性を解明するために,10地点において土壌のサンプリングを行い,圧縮,ねじり試験等を実施した。
|