研究課題/領域番号 |
08045052
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
田中 桂一 岐阜大学, 農学部, 教授 (30021710)
|
研究分担者 |
PORNSRI Chai カセサート大学, 農学部, 助教授
SUPAPORN Isa カセサート大学, 農学部, 助教授
大谷 滋 岐阜大学, 農学部, 助教授 (90115395)
|
キーワード | ブロイラー / 低タンパク質 / 合硫アミノ酸 / メチオニン / シスチン / 蓄積脂肪 / 増体量 / 飼料要求率 |
研究概要 |
「研究目的」平成8年度の両大学の実験から、ブロイラーを7日齢から10日間、自由採食量の55%から45%に飼料給与量を減らすことによって、8週齢時には体重、試料要求率が改善され、腹腔内脂防重量及び屠体中の脂肪含量も低下する結果を得た。ブロイラーの制限給与は総エネルギーの摂取量を制限とするよりもタンパク質の摂取量を制限する方が経済的にも、管理面からも好ましい。しかし飼料中のタンパク質含量を低くすると脂肪蓄積、すなわち腹腔内脂肪含量が増大するために一般的には行われていない。それで本研究は、ブロイラーの飼料中粗タンパク質含量を低い値とし、その飼料にメチオニン(met〉及びシスチン(cys)などの含硫アミノ酸を添加することによってブロイラーの脂肪蓄積の増加を抑制、さらに減少させることができるかを検討した。 「方法」ブロイラーヒナを平飼い条件下で7日齢から21日齢まで粗タンパク質含量(CP)23%及び17%の飼料に種々のレベルでメチオニンとシスチン添加した飼料を21から56日齢まで市販の飼料を給与し、体重、試料摂取量及び斃死率を測定した。 「結果」実験終了時において、met+cysを1.07%含有している17%CP区の方が23%CP飼料区より体重、増体量及び胸筋重量は有意に大きかった。腹腔内脂肪重量は17%CP飼料区が23%CP飼料区に比べて大きかったが、17%CP飼料区にmet+cysを1.07%添加した区では23%CP飼料区とほぼ同じ値にまで減少した。そして実験終了時では処理間で有意な差は観察されなかった。実験終了時における血清中の各脂質画濃度及び肝臓中トリグリセリド含量は23%CP飼料区より17%CP飼料区にmet+cysを添加した区の方が低かった。本研究結果から、ブロイラーの成長初期にmet+cysを添加した低タンパク質飼料を給与し、その後、出荷時まで市販の飼料を給与することによって、成長の改善及び脂肪の蓄積を減少させることができた。
|