研究課題
日本における研究経過:マレーシア科学大学の共同研究者を本年は2名招聘し、今後進める予定の熱帯産無脊椎動物の系統分類学への生化学的手法応用と熱帯産養殖魚の消化機能に関する実験を共同で行い、技法の照合を行った。過去3年間の研究継続期間に、熱帯海浜湿地帯の動物と植物の生態と生理に関する研究者をのべ8名招聘し、有明海を主とする海浜湿地帯の生物生産に関する研究を共同で行った。これまでの活動により、マレーシア側の研究者から多くの教示を受けるとともに、本学側が先進する分野について研究手法を伝授した。マレーシアにおける研究経過:本年は、3名の研究者がマレーシアで湿地帯の魚類の生態と生理及びコウイカ科のイカ類の系統分類およびヤリイカ科イカ類の成長に関する研究を行った。その結果得られた魚類の産卵行動に関する新事実は、日本産のそれと比較の上、学会誌に発表すべく準備している。過去3年間の研究成果として、1988年1月に干潟の魚類の特異な呼吸生理・生態に関する発見を英国の科学誌 Nature に発表して国際的な関心を集めたが、本年の研究で、その発見を検証する重大な事実が得られ、これも現在、国際科学誌に発表すべく準備を進めている。また、熱帯域魚類の生化学的実験から筋肉タンパクの分解が日本産のそれに比べ遅い事を明らかにし、酵素または組織における基本的な差があることを示唆する結果を得た。
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