研究概要 |
インドネシア大学における歯学の教育・研究ならびに歯科臨床の実態調査を行い,今後の国際学術交流を推進する上の参考とした。その結果インドネシアにおいては歯科の研究ならびに臨床で用いられるほとんどの材料・器械を外国からの輸入に依存していることが明らかとなった。このことから,歯学の発展ならびに歯科臨床の向上のためにはインドネシアにおいて自国の気候,風土ならびに食生活に適した独自の歯科材料を自前で製造できるようにすることが不可欠であると考えられた。 一方,熱帯気候に長期間保管された歯科材料の性能の劣化を検討する目的で,コンポジットレジンと模型用石膏を開封前の梱包のまま各種温度に保管したときの物性を検討した。その結果,ある種のコンポジットレジンにおいては高温に保管すると性能の劣化が見られること,またアルミニウム箔によって梱包された石膏では,日本の気候においても2年後に性能の劣化が見られることなどが明らかとなった。 これらのことから,我が国から東南アジアへ輸出される歯科材料の梱包状態や輸出の方法などについてはさらに改善の余地があると判断された。
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