研究課題/領域番号 |
08045069
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
小林 弘祐 北里大学, 医学部, 講師 (70153632)
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研究分担者 |
三藤 久 北里大学, 医学部, 助手 (40260856)
HURFORD Will Harvard大学, 医学部, 助教授
JONES Rosema Harvard大学, 医学部, 助教授
ZAPOL Warren Harvard大学, 医学部, 教授
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キーワード | 成人呼吸窮迫症候群 / 呼吸不全 / 肺損傷 / 一酸化窒素 / 吸入 / 一酸化窒素合成酵素 / ノックアウトマスス / 好中球 |
研究概要 |
研究分担者のWarren M.Zapolらによって始められたNO吸入療法を、安全にかつ有効に臨床応用するために必要な基礎的検討を継続した。 1. ハーバード大学においては、100%酸素暴露チャンバー下で誘導型NOS (iNOS)ノックアウトマウスおよび対照のwild-typeマウスを飼育し、ARDSモデルを作成した。気管支肺胞洗浄液中の細胞数と分画、アルブミン濃度、湿乾重量比を調べ、iNOSによる肺損傷の程度を検討した結果、iNOSノックアウトマウスでは、肺損傷が著しく、iNOSから産生されたNOは好中球の肺内集積を抑え、肺損傷を軽減していると、予想された。 iNOSのmRNAは、酸素暴露前からwild-typeマウスの肺内に発現しており、肺胞マクロファージには発現がみられず、また、肺血管を環流した後でも発現が見られていることから、肺内の細胞で発現していると予想された。 2. 北里大学においては、a)LPS投与による,ARDSモデルラットを作成し、ニトロチ口シンの定量を行い、免疫組織化学的にニトロチ口シンおよびアミノチロシンを染色し、また、NO吸入下に飼育したラットと比較し、NO吸入による肺損傷に対する効果を見た。その結果、NO吸入下でも、好中球の肺内集積を抑え、肺の炎症を抑えていた。 臨床例では、ARDS症例では、NO吸入により、NOを吸入していないARDS症例に較べて、生存期間が有意に延長していたが、最終予後には、差がみられなかった。関心術後の重症呼吸不全症例ではNO吸入により著しく動脈血酸素分圧の改善が見られ、有望である。
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