研究概要 |
1)抗原としての光損傷部位を含む核酸の合成についてはシクロブタンチミンダイマー体の大量合成法を確立した。6-4光産物を含むDNAはBIAcoreによる結合,NMRによる相互作用解析に充分な量を合成した.T-T6-4光産物の保護したブロックを用いてダイマーおよびテトラマ-の合成を行った.NMR測定用サンプルおよび共結晶調整用サンプルを合成した.構造解析用のスピラベル体の合成のために,5′末端にアミノリンカーを持つオリゴヌクレオチドおよび3′末端誘導体との反応を行い目的とするラベル体を合成した. 2)NMR法ならびにX線回析法に必要な抗体のFabフラグメントの大量調製を行うために抗体の大量生産・精製系を確立した. 3)抗体の抗原結合部位のFab蛋白質の結晶化は3種の抗体について成功した.6-4M-2と5の抗体Fabの結晶性のX線回析による評価も計画通りに進行した.6-4M-2については光産物との複合体の結晶化成功し,三次元解析が進行中である. 4)NMR解析は,6-4M5FabおよびTDM-2Fabの抗原結合部位の動的構造の精密解析を行った.ハイブリドーマ細胞の無血清培養法により主鎖アミド窒素をアミノ酸選択的に15N標識したFabフラグメントを多種類調整し,13C-15N二重標識法により個々のシグナルの位置特異的帰属を行い,6-4光産物のリンNMRを解析を行った. 5)一本鎖抗体およびその変異体の大腸菌を用いる発現系を確立し,BIAcoreによる抗原との結合実験を行った.
|