研究課題/領域番号 |
08102001
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
櫻井 利夫 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20143539)
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研究分担者 |
小林 力 東北大学, 金属材料研究所, 助手
長谷川 幸雄 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (80252493)
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キーワード | バリスティック電子放射顕微鏡 / 走査トンネル顕微鏡 / 界面電子誘過確率 / 金属半導体界面 / 電解イオン顕微鏡 / ナノ微結晶材料 / 金・シリコン界面 |
研究概要 |
今年度は、これまで開発してきた超高真空低温バリスティック電子放射顕微鏡(BEEM)の動作確認を進めてきた。これと同時に既存の超高真空STMにBEEM機能と液体ヘリウムによりシステム全体を冷却する機構を取り付け、BEEMの研究を両面から進めている。これまでAu/Si(100)界面に関する研究を進めており、金のグレインに依存したBEEM電流像が観察された。BEEM電流特性からはそのショットキー障壁の高さには変動は無いことから、界面に於ける電子透過確率がグレイン毎に異なることを意味しており、その方位に依存してその確率が変化することが明らかとなった。これまでの研究ではAu/Si界面に於いては金薄膜内での電子散乱の寄与も界面透過特性に影響を与えるとされていたが、今回の顕微鏡手法による研究によりその寄与は無視できることが判明した。また整合な界面として知られるNiSi2/Si(111)界面についてもBEEMにより研究を進めており、他の領域に比べ電流透過確率の高いナノスケールサイズの領域がBEEM電流像として観察され、これまでの電気伝導特性や電子顕微鏡の研究でその存在が知られていたピンホール構造ではないかと推測している。 さらに電界イオン顕微鏡(FIM)およびアトムプローブ法を用いて、材料の破断面を原子レベルの空間分解能で観察する研究も進めている。これまでの研究ではナノ微結晶材料においてその破壊プロセスがナノ微結晶とアモルファス領域の界面にて生じていることなどを明らかにすることができた。
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