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1996 年度 実績報告書

酵素触媒重合:高分子化学における新領域の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 08102002
研究機関東北大学

研究代表者

小林 四郎  東北大学, 工学部, 教授 (10026198)

研究分担者 宇山 浩  東北大学, 工学部, 助手 (70203594)
正田 晋一郎  東北大学, 工学部, 助教授 (10143364)
キーワード酵素触媒重合 / 多糖類 / ポリエステル / ポリアロマティックス / 加水分解酵素 / 酸化還元酵素 / キチン / ラクトン
研究概要

酵素触媒を用いる新しい高分子合成反応の開拓を行った。ハイブリッド多糖類の合成を目指して、新規2糖モノマーの設計・合成を行った。セルロースの構成単位であるグルコースとキチンの構成単位であるN-アセチルグルコサミンからなるN-アセチルセロビオサミンのオキサゾリン誘導体にキチナーゼを作用させると、重合が進行し新規非天然型多糖が得られた。また、セルロースとキシランの各々の構成ユニットを交互にもつオリゴ糖の合成にも成功した。
リパーゼを触媒に用いる重合反応を検討した。リパーゼ存在下、水中でジカルボン酸とグリコールの反応を行った。通常カルボン酸とアルコールからのエステル合成は脱水を伴うので、非水溶媒中で行われる。ところが酵素触媒を用いることにより水中で脱水重縮合が進行することを見いだした。また、β位にメチル基をもつ7員環ラクトンの重合を検討したところ、Pseudomonas属のリパーゼを用いた場合に重合が立体選択的に進行することを見いだした。
フェノール類の酵素触媒重合を検討し、新規ポリフェノールを合成した。工業的に重要なビスフェノール-Aの重合を大豆ペルオキシダーゼを触媒に用いて行ったところ、汎用極性有機溶媒に易溶のポリマーが得られた。ポリマーの収率、分子量は溶媒組成に大きく依存した。また、生成ポリマーは熱的に硬化することがわかった。次にペルオキシダーゼを触媒に用いてメタクリル基をもつフェノールの重合を検討したところ、フェノール部位が官能基選択的に重合することがわかった。生成ポリマーは側鎖にメタクリル基を有しており、新規反応性ポリマーとしての応用が期待される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S. Kobayashi et al.: "Synthesis of Artificial Chitin : Irreversible Catalytic Behavior of a Glycosyl Hydrolase ehrough a Transition State Analogue Substrate" Journal of the American Chemical Society. 118巻. 13113-13114 (1996)

  • [文献書誌] S. Kobayashi et al.: "Enzymatic Oxidative Polymerization of 2, 6-Dimethylphenol" Macromolecules. 29巻. 8702-8705 (1996)

  • [文献書誌] S. Kobayashi et al.: "Dehydration Polymerization in Aquecus Medium Catalyzed by Lipase" Chemistry Letters. 105 (1997)

  • [文献書誌] S. Kobayashi et al.: "Novel Bienzymatic Catalysis System for Oxidative Polymerization of Phenols." Polymer Journal. 29巻. 190-191 (1997)

  • [文献書誌] S. Kobayashi et al.: "Mechanistic Studies on the Lipase-Catalyzed Ring-Opening Polymerization of Lactones" Polymer Journal. 29巻(印刷中). (1997)

  • [文献書誌] S. Kobayashi et al.: "Poly (2, 6-dihydroxy-1, 4-oxyphenylene). Synthesis of a new poly (phenylene oxide) dorivative" Polymer Bulletin. (印刷中). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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