研究課題/領域番号 |
08102002
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
化学系
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研究機関 | 京都大学 (1997-1999) 東北大学 (1996) |
研究代表者 |
小林 四郎 京都大学, 工学研究科, 教授 (10026198)
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研究分担者 |
宇山 浩 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70203594)
木村 俊作 京都大学, 工学研究科, 教授 (80150324)
正田 晋一郎 東北大学, 工学研究科, 教授 (10143364)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1999
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キーワード | 酵素触媒重合 / 多糖類 / ポリエステル / ポリアロマティックス / 加水分解酵素 / 酸化還元酵素 |
研究概要 |
酵素触媒を用いる新しい高分子合成反応の開拓を行った。多糖類の酵素合成に関し、天然多糖であるキチンの化学合成に世界で初めて成功した。さらにキチン生成過程の観察により、板状のαキチン単結晶が生成する系を見出した。結晶が成長すると高次集合による球晶となる。また、酵素触媒重合により交互置換メチルセルロース、セルロース-キチンハイブリッド、セルロース-キシランハイブリッドといった非天然多糖を合成した。 ポリエステル合成に関しては、ラクトン類の開環重合の詳細な反応速度解析を行い、反応機構及び環員数の違いによる特異的な重合挙動を解明することができた。置換ラクトンの立体選択的重合及び共重合に成功し、既報よりさらに高い立体選択性を達成した。また、ラクトン類の開環重合を利用した末端反応性ポリエステルの簡便な合成法を開拓した。縮合系では、無溶媒でジカルボン酸とグリコールのような安価な試薬からポリエステルを得る条件を見出した。ビニルエステル類の高い反応性を利用したポリエステル合成を行い、グリセリンをモノマーとする位置選択的重合に展開した。 芳香族ポリマーの酵素合成に関しては、酵素のみならず酵素モデル錯体を積極的に利用することにより位置選択的重合を実現させた。無置換フェノールからの可溶性ポリフェノールの合成及び溶媒組成によるフェニレンユニットとオキシフェニレンユニットの組成制御に初めて成功した。種々のフェノール類からも可溶性ポリフェノール類を合成している。メタクリル、アセチレン基を持つポリフェノールを合成し、熱、光により硬化することを見出した。また、ウルシオール類似体を新たに設計・合成し、酵素硬化により光沢及び膜物性に優れた硬化膜を得た(人工漆の開発)。
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