研究概要 |
研究計画書に従い以下の研究を行った。 1)新型Nal(Tl)検出器の性能テスト: *標準γ線源及び^<27>Al(p,γ)^<28>Si反応によるγ線を用い検出器の検出効率、応答関数を求めた。検出効率は従来の2倍であった。 *^<12>C資料につきKeV中性子を用いオンライン測定した結果、検出器橿体の材を強化プラスチックに、検出器系架台も中性子捕獲断面積のより小さいアルミ製に換えたため高いS/N比の測定ができる事が解った。 2)気体標的液化装置の性能テスト: 液化装置のオフラインテストを天然ネオンを用い行った結果以下の事が判明。(1)標的部内の液化は11時間で終了し長期間安定にその状態を保持する事,(2)ドライポンプの導入により使用する気体量を少なくできる事及び(3)液化装置よるγ線バックグランドは資料による信号に比し十分少なく問題無い。 3)^<12>C(α,γ)^<16>O反応断面積測定系構築: 上記実験の最適化を図るため開発したNaI(Tl)検出器を用い中性子遮蔽材の厚さを変化させる等のオンライン実験を行った。パルスHeビーム及び強力な中性子遮蔽を具備した測定器系での研究は未だ世界でやられていないが我々のテスト実験の結果既にかなり高感度の測定系である事が解った。 4)スパレーション反応による中性子のエネルギー分布及びNi等による即発γ線測定: KEKの中性子実験施設では、eVからMeVまでの連続エネルギーを持つ中性子を供給しているが、そのエネルギー分布は測定された事が無く、又原子核による捕獲γ線測定実験も行われた事がない。我々は測定システムを組み上げ上記2点の測定を行った結果、初めて中性子エネルギー分布が得られその強度は、十分強いこと及びγ線測定上の問題点及び解決策が明らかにできた。 5)^6Li及び^7Liについて開発した検出器で有意義な捕獲反応断面積の測定が行えた。
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