研究課題/領域番号 |
08102006
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
諸岡 良彦 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (70016731)
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研究分担者 |
引地 史郎 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (10282857)
藤澤 清史 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (10251670)
穐田 宗隆 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (50167839)
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キーワード | 酸素 / 遷移金属錯体 / 酸素錯体 / 金属タンパク質 / ヒドロトリス(ピラゾリル)ボレート |
研究概要 |
本研究では、酸素代謝や酸化反応を行う金属タンパクの活性部位の機能や構造を明らかにすることを目的として、新規に設計・開発した種々の置換ヒドロトリス(ピラゾリル)ボレート類を配位子として用いることにより、金属の配位環境を電子的・立体的にコントロールして、系統的な遷移金属酸素錯体の合成研究を行っているが、本年度の成果は以下の通りである。 1.チトクローム酸化酵素など異種複核金属種による酸素の活性が最近注目されているが、異種金属間架橋酸素錯体合成の予備実験として、異なる配位子を有する二つの銅の間に酸素がμ-η2:η2-型で架橋配位した錯体を合成した。 2.非ヘム鉄活性中心を含むメタンモノオキシゲナーゼ・ヘムエリスリンなどの機能を解明するために、嵩高いヒドロトリス(ピラゾリル)ボレートを有する鉄カルボキシラート錯体を合成し、酸素との反応を行った結果酸素付加体を経て配位子への酸素添加が進行することを明らかにした。 3.ニッケル・コバルトは天然の酸化金属酵素には含まれないが、我々が開発したヒドロキシ錯体と過酸化水素・アルキルヒドロペルオキシドとの配位子交換反応を適用した結果、すでに報告した銅錯体と同様な複核μ-η^2:η^2-型架橋酸素錯体や単核アルキルペルオキソ錯体が生成することを明らかにし、条件によっては配位子中のピラゾール置換基に対する特異的酸素添加反応が進行することを明らかにした。 4.第二周期遷移金属錯体の典型例として、ヒドロトリス(ピラゾリル)ボレートあるいはこれと同族体で架橋元素として炭素を有するヒドロトリス(ピラゾリル)メタンを補助配位子とする置換活性なロジウム・ルテニウム錯体を合成し、酸素との反応検討した結果、付加反応が進行することを見出した。
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