研究課題/領域番号 |
08102008
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
西本 毅治 九州大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10037426)
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研究分担者 |
大場 誠介 九州大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(PD)
西谷 秀男 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40253455)
野口 英史 九州大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(PD)
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キーワード | RCC1 / Ran / Mog1 / Yrb2 / DAD1 / 細胞周期 / アポトーシス |
研究概要 |
細胞複製を遺伝子のレベルで研究する目的で、欠損のため細胞周期進行が停止する、またはアポトーシスが起る遺伝子群とその機能を次の三つの柱を立てて研究を行っている。柱1。細胞複製温度感受性変異の分離。柱2。変異遺伝子の分離と同定。柱3。分離された遺伝子機能の解明。本年度は最終年度にあたり柱2と3に集中して研究を行った。 柱2 本研究課題のもと新たに分離された温度感受性変異株を相補するヒト遺伝子のDNA断片が分離されたが変異を相補するまでに至っていない。 柱3分離された遺伝子機能の解明 1。DAD1欠損マウスの作製。このマウスは致死であり、移植後、直ちにアポトーシスを起こし死亡した。この結果を基にDAD1遺伝子に温度感受性変異株を持つマウスを作製している。 2。RCC1-Ranサイクルの機能 1)RCC1とRanの結合部位を明らかにした。また、RanBP1/Yrb1はRanのC端のDEDDDL配列を介して結合することがわかりこの配列を持たない変異RanはRanBP1/Yrb1の影響を受けないことがわかった。 2)Ranが直接に微小管形成を制御していることを明らかにし論文として発表した。 3)Mog1がRanGTPのGTP解離活性を持っていることを発見した。Ranサイクルの新しい因子としてMMog1pを世界に認知させた。 4)rcc1,rna1-1の抑圧変異として分離されたGtr1pがあらたなG蛋白質Gtr2pと結合することを論文としてまとめた。 5)RanがRNA代謝に直接関与していることが明らかになってきており、核内の色々な生物現象がRanを介して行なわれていることが推測された。これは、今後、証明すべき大きな課題である。
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