研究課題/領域番号 |
08102010
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大師堂 経明 早稲田大学, 教育学部, 教授 (10112989)
|
研究分担者 |
中島 潤一 通信総合研究所, 宇宙電波応用研究室, 主任研究官
山田 勝美 理工学総合研究センター, 名誉教授 (30063316)
前田 恵一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70199610)
|
キーワード | パルサー / 干渉計 / FFT / 光ファイバー / ディジタル信号処理 / 重力理論 / 電波天文学 / A / D変換 |
研究概要 |
信号処理プロセッサーは完成し、テストベクトルを作成して性能試験を行っている。まず各回路基板単位の試験を行い、設計通りの性能を得ている事を確認した。 ついで、A/D変換部、空間FFT部、空間時間変換部、時間FFT部、パワー積分部、の各構成部分のテストを行い、設計通りの性能を得ている事を確認した。 相対論的数値実験と重力理論の研究(前田)については、研究発表の項に記載してある。 光ファイバー、プロセッサーの接続、試験観測(1-2月、大師堂)については、光ファイバーの設置が予想以上に大がかりな工事であったが、10月に完了した。 まず1次元8素子のアンテナについて、屋上のアンテナ直下に置いたA/D変換器と、観測室の光電気変換器をつなぐ50mの光ファイバーを通して、ベースバンドデジタル信号がほとんど損失無く伝送された。現在、タイミングクロックの精度を1-2ナノ秒の間に収めることができたが、これから64台のアンテナすべてについて1ナノ秒以内に収める見通しがついた。 従来のアナログ伝送における悩みの種であった、温度による位相変動の問題は大きく改善され、高感度のイメージングに道を開いた。64台のアンテナとプロセッサーが、一つのLSIのように同一のクロックで動作できる環境は、世界に例がない試みであり、自他供に世界一の技術水準を誇るアレイアンテナのメーカーからの見学を受け、今後の技術協力の要請を受けた。 空間フーリエ変換と時間フーリエ変換のアルゴリズムが同一であることを利用して、両者を同一の電子回路基板で構成し、製作費を極めて低く押さえることができた。これは世界で初めての構成方式であり、特許を申請して公開の段階にある。今回のプロセッサーの前段にあたる、空間FFT部分の特許はそれ以前に出してあったが、本年度4月に特許が成立した。 空間FFT出力データを、時間FFT処理用データに並べ換える空間時間変換処理部は、その構成に最も力を注いだ部分であり、一見難解な構造をしている。この部分をFPGAを多数用いて、自由度のある構成とすることができ、パルサー観測に必要な、多数の観測モード(イメージングモード、サーベイモード、タイミング観測モード、ナイキストレートタイミング観測モード、その他)を実現できた。
|