研究概要 |
(ナイキストレートでの空間時間FFT)世界ではじめて、ナイキストレートで処理を行う空間時間FFTプロセッサーを開発し(Daishido,T.et al,2000)、64台のアンテナからなる干渉計に接続して、64方向、256チャネル同時観測を実現した。 (信号の流れのトポロジー)このプロセッサーの開発・製作過程では多くの工夫がなされ、世界に新しい流れをつくりだした。第一は、空間処理FFTと時間処理FFTの信号の流れのトポロジーが全く同じであることを積極的に利用して、全く同じ構造のプロセッサー2組で空間時間FFTを一挙に実現したことである。 (空間時間データの並べ換え)間に設置した空間時間データ変換部の設計には、大いに頭をしぼったが、完全に作動し、見通しの正しかったことが確認できた。実際、空間FFTの基板と時間FFTの基板を交換しても動くことを確かめてある。このことにより、メインテナンスが楽になり、製作経費が低く押さえられた。トポロジーは同じであるが、FFTのバタフライ演算に設定する位相回転子はもちろん異なる。 (Radix-4 FFT バタフライLSIの設計)設計の主要部分は研究室が関わり、Radix-4演算を行うLSIの設計は、博士課程在学中の田中(Tanaka,N.et al,2000)が中心に行った。 空間16×16、時間256、のFFTのトポロジーが同一なので、ハードウエアとしては同一のプリント基板を使い、空間FFT(16枚、2ブロック)、時間FFT(16枚2ブロック)で構成し、中間のST変換部でデータの並べ換えを行う。基板の総数は、64枚となる。 各基板は、16複素入力、同出力、となるので、バタフライLSIは、初段に4個、2段目に4個の計8個が実装される。LSIの総数は、8×64=512個となり、カスタムLSI(ASIC)で製作した。数が多いのでFPGAで構成するときの1/10のコストで実現できた。
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