研究課題/領域番号 |
08201102
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研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
和田 俊 東京水産大学, 水産学部, 教授 (00089830)
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研究分担者 |
高橋 和也 理化学研究所, 核化学, 研究員 (70221356)
木村 茂 東京水産大学, 水産学部, 教授 (10017056)
渡部 徳子 東京水産大学, 水産学部, 教授 (40092382)
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キーワード | 遺跡探査 / 考古脂質 / 遺跡化学分析 / 被熱遺構 / 考古焚き火実験 / 考古脂肪酸分析 / 考古アミノ酸分析 / 考古動植物分析 |
研究概要 |
本研究では、平成8年8月に発掘された、宮崎県の西都原遺跡および高千穂野古墳群遺跡、さらには兵庫県の池ノ内古墳遺跡から出土した土器類および土壌類から得られた脂質およびアミノ酸について分析した。一方、遺構の被熱探査のために、岐阜県の穂高砂防観測所、および岡山県恩原遺跡での焚き火モデル実験を行い探査法の基礎的考察を行うとともに、被熱遺構と推定されている恩原遺跡の砂礫堆から採取された試料について探査を試みた。 その結果、土器類および土壌からは脂質の存在が確認され、しかも一部の土器の表面には、お供え物として奉納されたと推察される動植物の脂質が付着していて、その中に高度不飽和脂肪酸であるドコサヘキサエン酸(DHA)と同定される脂質が存在していたことを明らかにした。このことから、古墳内の土器中に魚が存在したことが初めて証明された。アミノ酸組成解析の結果では動植物の特定は困難であるが、組成比から検討すると、西都原古墳からはアスパラギン酸、池ノ内古墳からはセリン等の多く含有する土壌が認められ、遺物・遺構の特徴が現れた。 一方、焚き火モデル実験では、被熱土壌と非被熱土壌とでは質量磁化率の変化があり、それは鉄酸化物の成分組成比の違いに起因することが明らかにされた。
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