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1996 年度 実績報告書

ザカフカ-スの民族問題と歴史記述

研究課題

研究課題/領域番号 08206201
研究機関弘前大学

研究代表者

北川 誠一  弘前大学, 人文学部, 教授 (50001813)

キーワード基幹住民政策 / 原住民主義 / グルジア / アブハジア / メグレリ / サムルザカン
研究概要

今日のグルジアとアブハジアの民族問題にかかわる双方の主張は、ソ連時代に実行された「基幹住民政策」と「原住民主義」が依拠するところの、いくつかの歴史研究上の主題に要約できることが明らかになった。この研究の結果、特に重要であると考えられるのは以下の5点である。
1.アブハジア古代の種族分布。グルジア人は、今日のアブハズ人は、歴史的アブハジアの一部の住民に過ぎなかったが、後にアブハジア全体を占領するに至って、アブハズ人の名称で呼ばれるようになったと主張する。アブハズ人の主張は逆に、今日のアブハズ人の祖先は、アブハジアの全土に広がっていたというものである。
2.初期のアブハジア王国の民族的成分。8世紀にアブハジア公レオンは、ビザンツから王号を与えられた。アブハジア王の領土は西グルジア全体に拡大した。グルジア人は、固有のアブハズ人と西グルジア(メグレリ)人が、一つの国家を樹立したと考え、アブハズ人は西グルジア一帯がアブハズ人の居住域であったと考える。
3.近世のアブハジア公領の発展とサムルザカン地方の固有住民。17世紀にアブハジア公の領域は南に拡大する。グルジア人は、サムルザカンにグルジア語使用者が多いのは、その反映であると考えるが、アブハズ人は、サムルザカンはアブハズ人固有の領土であるとする。
4.ソ連加盟後のアブハジアとグルジアの同等な立場による条約的連邦制の評価。
5.ソ連時代にグルジア政府当局によって行われた反アズハズ人政策。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 北川誠一: "サインギロのグリジア人" 「民族の共存を求めて(1)」. 50-56 (1996)

  • [文献書誌] 北川誠一: "ソ連崩壊とアブハジアの独立" 「旧ソ連の地域別研究」. (未定). (1997)

  • [文献書誌] 北川誠一: "Role of Historiography in the Abkhaz-Georgian Conflict" 「北海道大学スラブ研究センター冬季研究報告集」. (未定). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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