研究課題/領域番号 |
08208101
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研究種目 |
重点領域研究
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中兼 和津次 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80114958)
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研究分担者 |
佐藤 宏 一橋大学, 経済学部, 助教授 (50211280)
加藤 弘之 神戸大学, 経済学部, 教授 (70152741)
田嶋 俊雄 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (10171696)
上原 一慶 京都大学経済研究所, 教授 (60052544)
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キーワード | 体制転換・移行 / 市場化 / 財政・金融改革 / 企業改革 / 経済発展と所得分配 |
研究概要 |
中兼和津次(テーマ:体制転換と市場化--開発論と比較経済体制論の視点から)は、一つにはこれまでの中国の改革の経験を振り返り、他の旧社会主義国のそれと比較しつつ、中国の漸進主義的体制改革の再評価を試みた。また、中国の失業問題に焦点を当て、体制・イデオロギーと失業問題発展過程における失業発生、体制移行過程における失業発生のメカニズム、そして中国における失業問題の特殊性について取り上げ、新しい見方を提供しようとした。 上原一慶(国有企業改革と外国投資)は、第1に、国有企業の経営悪化の原因に関する検討を行い、第2に、国有企業改革は、従業員の再就職問題、赤字救済等、財政負担を余儀なくさせるものであり、これは財政が相対的に豊かな地域とそうでない地域の間の改革の発展格差を生み出すものと思われるが、その実態を現地調査に基づいて明らかにした。 田嶋俊雄(財政・金融改革の展開とミクロ制度改革)は、経済改革の進展と潜在的な景気過熱傾向のもと、政策当局による公共サービスの提供やマクロ経済コントロール機能の再構築が新たな政策課題として登場していること、またミクロレベルの企業改革や経済の市場化を推進する上での不可欠の前提として、企業・政府間関係、企業の資金調達をめぐる税財政・金融制度改革が推進されてきたことから、これらの改革の背景を歴史的に明らかにした。 加藤弘之(中国の市場化と地域統合)は、(1)内陸開発戦略の理論的サーベイを行うとともに、(2)内陸地域(四川省成都、重慶、湖北省武漢)における実態調査、(3)生産要素(労働力)の流動にかかわるデータの収集と整理を行った。 佐藤宏(中国の経済発展と所得分布--研究史の整理と展望)は、経済発展と所得分配との関係を広いパースペクティヴのもとに考察し、今年度は(1)研究課題と分析枠組みの設定、(2)関連研究のレビュー、文献調査、(3)中国の関係研究者・研究機関との情報交換および資料調査に重点を置き、とりわけ詳細な関連研究のレビューを行った。
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