研究課題/領域番号 |
08209116
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
濱砂 敬郎 九州大学, 経済学部, 教授 (70039791)
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研究分担者 |
西村 善博 大分大学, 経済学部, 教授 (50172705)
坂田 幸繁 中央大学, 経済学部, 教授 (00153891)
鈴木 庸夫 千葉大学, 法経学部, 教授 (20110273)
今里 滋 九州大学, 法学部, 教授 (30168512)
川上 宏二郎 西南学院大学, 経済学部, 教授
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キーワード | 調査個票 / ミクロデータ / 絶対的匿名化 / 相対的匿名化 / レジスター統計 / ミクロ分析 / Scientitic Use File / データアーカイブ |
研究概要 |
本計画班の研究は、統計審議会の答申『統計行政の新旧中長期構想』を基点として、研究課題を(1)ミクロデータの開示の実情、(2)統計調査間のデータリンケージの動向、および(3)行政・統計レジスターの展開と設定し、それぞれの技術的組織的側面と制度的社会的側面にかんする文献・資料調査を実施した。 調査研究では、欧米諸国においては、データリンケージの典型的な形態であるレジスター統計問題が大きな展開を見せていたために、研究が、課題(3)に傾斜したことを反省し、本年度は研究課題をつぎのように再確認し、本格的な考察を展開した。 (一)ミクロデータの開示状況、(二)統計調査間の個票データの結合様式,とくに調査機構の類型/調査形態とマッチング様式、(三)行政記録による統計作成の補完様式とセンサス代替様式(行政→統計レジスター)(四)調査個票の公表・利用形態 (五)(一)~(四)にたいする被調査者の権利保護にかんする法律的制度的措置と管理・運用の実態 それを要括すると、ミクロデータを一般に公開する課題は、調査個票が被調査者のプライバシーにかかわり、その秘密保護が統計調査が成り立つ決定的な前提条件であるだけに、ミクロデータの匿名化と提供にかんする法律的行政的な手続きはもとより、ミクロデータの利用を受容する社会的な条件(Data-Culture)を考察することが重要である。そして、(1)ミクロ分析が高い公共性を備えていることと、(2)政府統計だけでなく、社会調査のミクロデータの共有システムを創出したことが、データ保護運動の強まりにもかかわらず、ミクロデータのScientific Use File化、さらにはPublic Use File化を推進させてきた基本的な要因であることを洞察している。
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