研究課題/領域番号 |
08209126
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研究種目 |
重点領域研究
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
伊藤 陽一 法政大学, 経済学部, 教授 (80061167)
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研究分担者 |
太田 育子 広島市立大学, 国際学部, 講師 (10211103)
渋谷 政昭 高千穂商科大学, 教授 (20146723)
石田 晃 敬愛大学, 経済学部, 教授 (60265460)
森 博美 法政大学, 経済学部, 教授 (40105854)
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キーワード | 統計法 / プライバシー / 秘匿性 / Public-Use Microdata / TDF |
研究概要 |
平成8年度、本計画班(A-02エ)は、ミクロ統計データの提供に関する主要各国および国際間(国際機関、各国政府機関)のデータフローの実状ならびにそこに存在するデータの秘密保護などの法律的、制度的側面の研究に取り組んできた。 その結果、これまでわが国においてほとんど知られることのなかった次のような点が明らかになった。1.主要国ミクロ統計データの提供あるいは提供に向けての取り組みは早くも1960年代に開始されていること。2.1990年代初頭現在、合衆国、カナダ、イギリス等ではすすみ、オランダが提供に慎重で、ドイツ、イタリアでは制限的そして北欧諸国ではデンマークなど一部を除き今のところ政府統計のミクロデータは非提供である。3.提供に際しては、データの種類と内容、提供ルート、提供審査機関、(Panel)とそのメンバー、審査の詳細規準、料金体系について逐次その手続きも含め実態が明らかにされつつある。4.国際データ流通(いわゆるTDF)については、プライバシーの保護と情報の自由な流通という2つの異質な価値をどのように相互に調和させるかについて、すでに先進27カ国の間で政策調整が開始されている。5.また今年度の研究の過程で、ヨーロッパを中心に各国のデータ保管所(Archive)が相互にインターネット上での連携を強めるといった新たな展開を見せていることも明らかになった。 これら本年度の研究成果を踏まえ、ミクロデータの提供システムに運用マニュアル等のより具体的なレベルでの検討、各国におけるプライバシー保護制度(法体系、その制度面での運用システム)、TDF問題についての政策調整の今後の動向の追跡、レジスターベースでの統計生産の可能性などについて、次年度以降引き続いて検討する予定である。
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