研究課題/領域番号 |
08209126
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
伊藤 陽一 法政大学, 経済学部, 教授 (80061167)
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研究分担者 |
太田 育子 広島市立大学, 経済学部, 助教授 (10211103)
今村 肇 東洋大学, 経済学部, 教授 (70176501)
渋谷 政昭 高千穂商科大学, 教授 (20146723)
石田 晃 敬愛大学, 経済学部, 教授 (60265460)
森 博美 法政大学, 経済学部, 教授 (40105854)
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キーワード | 統計改革 / ロンジチュージナル・データ / SIPP / 社会保障番号 / 法制 / 漏洩制御 |
研究概要 |
1998年度に、4Λ-02エ班は、ミクロ統計データの提供に関して、先行諸例を調べ、日本での提供に関わる法的・制度的在り方を具体的に検討し、その際、各国でのミクロ統計データの必要性や有効性、統討改革をめぐる動向等にも注目した。この中で、以下の点をとりあげ、あるいは明らかにした。1.アメリカ合衆国連邦統計では、1990年代後半に統計改革が多面的に進行しており、特に、情報技術の活用やミクロデータの利用、顧客サービスの強化において日本に先行している。統計機関の一部統合が現実味を帯びてきている。2.CPSとSIPPは合衆国の代表的ミクロデータである。ロンジチュージナル・データであるSIPPは、貧困者の動きを政策との対応で追跡できる点など、現実の細かで正確な把握にとって有力である。これらデータによって合衆国のジェンダー統計は、国際的に高いレベルにある。3.合衆国の社会保障番号は、関係政府機関はその扱いに慎重であるが、民間企業やクレジット会社が個人の認定の際にこの番号を要求することによって、識別項として社会的にいきわたっている。4.イギリス統計局のLSデータは20年にわたる人口動態事象についてのデータで、職歴、居住地域歴別の死亡率、社会階層別死亡率等の分析に広く活用されている。この種のロンジチュージナル・データは、欧米各国で作成されており、国際比較分析の標準データとなり、国際機関でも整備プログラムが進行中である。5.合衆国、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージランドのミクロデータに関わる法制と対応機関、開示条件を調べた。6.漏洩制御問題の統計学的研究を概観し、ミクロ統計の運営管理における技術的側面の諸問題を考察した。7.フランスと日本の人材育成制度を比較し、人材育成に向けた情報ネットワークの拡大と、そこでのミクロデータ開発の必要を指摘した。
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