研究概要 |
幾何構造の積分可能性は構造群が有限型の場合は構造理論があるものの無限型に対しては特にない。この研究では局所共形幾何学において次のプロジェクト:多様体上のIntegrability (積分可能性)とUniformization (一意化). を考え,局所Symplectization に Cauchy-Riemann構造論を展開して,局所Contactizationの不変量を構成し,下記の様な分類成果を得た。一般にn次元リーマン多様体はWeyl 曲率テンサーが消えるとき、共形平坦多様体となりn次元球面S^nに展開される。また,(2n+1)次元CR多様体はChern-Moser曲率テンサーが消えるとき,spherical CR多様体となり,(2n+1)次元球面S^<2n+1>に展開される。そこで2n次元局所共形Kahler 多様体からBochner曲率テンサーがChern-Moser曲率テンサーと一致する局所(2n+1)次元spherical CR多様体を構成した。我々は,群作用を持つCR多様体の分類結果を使って一般化されたBochner曲率テンサーが消えるとき,2n次元局所共形Kahler多様体は次のような幾何学にuniformizeされることを示した。 定理(Uniformization):2n次元局所共形Kahler多様体はBochner曲率テンサーが消えるとき,次の幾何学に局所的にモデルされる。 (1)複素射影幾何.(2)複素相似幾何.(3)複素双曲幾何.(4)複素射影双曲幾何. 特に,コンパクトの場合,次の分類結果を得た。 系(Classification):Bochner曲率テンサーが消えるような2n次元コンパクト局所共形Kahler多様体Mは次の局所共形Kahler多様体に共形同値である。さらに,最初からMがKahler多様体のときには,計量の定数倍をのぞいて下のKahler多様体に等長になる。 (i)複素射影空間CP^n.(ii)複素ユークリット空間形C^n/Γ. (iii)複素双曲空間形H^n_C/Γ.(iv)ホップ多様体S^<2-1>×S^1/F.(v)複素射影空間×双曲空間形H^mP_C×CP^<n-m>/Γ.
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