研究課題/領域番号 |
08212101
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
山内 誠 宮崎大学, 工学部, 助手 (80264365)
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研究分担者 |
吉田 篤正 理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 研究員 (80240274)
高岸 邦夫 宮崎大学, 工学部, 助教授 (80041060)
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キーワード | 観測 / 人工衛星 / トランジェント天体 / γ線バースト |
研究概要 |
HETE衛星は平成8年11月にアメリカから打ち上げられ、高度550kmの地球周回軌道に投入されが、HETE衛星と第3段ロケット、およびアルゼンチンのSAC-B衛星との分離に失敗したため衛星を稼働させることは出来なかった。しかしながら本研究において設置、整備された二次地上局や、既に構築済みの主地上局をインターネットによりアメリカ、マサチュセッツ工科大学とリアルタイムに連絡を取り合うことによって、正常に動作させることができ、特に二次地上局においては電源が投入された状態の衛星からの微弱な電波を確認することが出来た。 衛星に搭載されたX線観測装置からのデータ解析ソフトもワークステーション上で開発し、γ線バーストの発生方向を18分角以下の精度で求められるようになった。これはHETE衛星に要求されていた性能を満たすものである。 HETE衛星との連携によってγ線バーストの観測を行なう地上観測機関もいくつか準備されたが、いつどこで発生するか分からない天体の観測には公共天文台やアマチュアの協力も必要であるが、そこには解析装置が十分ではないので、購入したフィルムスキャナーによりデータを読みとることによって、ワークステーション上での解析を可能とした。このような画像データは格納スペースが膨大となるため、ハードディスクとCD-Rを準備し、本格的な運用に備えた。 HETE衛星の打ち上げは上記のように失敗したが、HETE-II衛星の打ち上げが既に認められ、HETE衛星と運用の形態は全く同じである。したがって今回整備した地上局やデータ解析システム、地上連携システムはそのまま利用可能である。特に地上連携システムについては、現段階でも他の衛星や広く地上の観測機関との連絡に利用することによりγ線バーストの研究を共同で進めていくことができる。
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