研究課題/領域番号 |
08219217
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
碓氷 泰市 静岡大学, 農学部, 教授 (50111802)
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研究分担者 |
河岸 洋和 静岡大学, 農学部, 助教授 (70183283)
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キーワード | Enzymatic Synthesis / Transglycosylation / Oligosaccharide Unit / Molecular Recognition / Glycosidase / Glycoconjugate / Glycopolymer / Lectin |
研究概要 |
本研究は、複合糖質の分子認識に関わる重要オリゴ糖単位を合成するため、グリコシダーゼを触媒素子とし従来では達成し得ない実践的合成プロセスの確立を目指している。 合成したオリゴ糖鎖を認識マーカーとして高分子に組み込んだ糖鎖高分子を構築したり、バイオセンサーリガンドと成し、これら糖結合性タンパクとの相互作用の解析から糖鎖認識発現の機作を究明していく。 1.前年の成果であるムチン型オリゴ糖鎖I型Galβ1-3GalNAcα-pNPを出発基質としてNocardia orientalis由来β-N-アセチルヘキソサミニダーゼ(β-NAHase)のGlcNAc転移反応を利用し、ムチンII型構造を有する型Galβ1-3〔GlcNAcβ1-6〕GalNAcα-pNP単位の位置選択的酵素合成に成功した。 2.上記N.orientalis由来β-NAHaseを用い、N-アセチルラクトサミン(LacNAc)を受容体にGlcNAc転移させたGlcNAcβ1-3Galβ1-4GlcNAc3糖単位の合成法も開発した。 3.ブタ肝臓由来α-L-フコシダーゼを触媒素子としてLacNAc受容体への本酵素のフコシル転移反応を利用し、ヒト血液型エピトープとして存在する共通3糖2'-0-フコシル・ラクトサミン(Fucα1-2Galβ1-4GlcNAc)の合成法を確立した。 4.これまでに酵素合成した一連のβ-ガラクトシル2糖を出発原料としてこれらを側鎖に持つ水溶性糖鎖高分子p-アクロイルアミノフェニル重合体を得た。これらを用い、各種レクチンとの相互作用を解析したところ、糖鎖プローブとしての利用の可能性が実証できた。
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