研究概要 |
エリシター活性体とエンドウ葉細胞のレセプターとの構造-活性相関を明らかにするための最小の分子構造を有するエリシター活性体を見い出すことを目的とし、先ず最小単位である三糖-セリン縮合体(1)、三糖-セリルプロリン縮合体(2)を合成し、そのエリシター活性についてエンドウ葉中のファイトアレキシンpisatin生成量をHPLCにて定量した結果、原体である糖タンパク質が2.02μg/cm^2に対し前者は0.92,後者は1.46と弱いながらも活性を示した。本最小単位は明らかに活性構成単位ではあるが,さらなる分子量或いはペプチド分岐鎖を必要とするものと考え、ペプチド鎖がC末端側に延びたもの(3)、N末端側に延びたもの(4)、糖鎖の分岐が2つあるもの(5)、糖鎖の分岐が2つあり、ペプチド鎖がC末端側に延びたもの(6)、N末端側に延びたもの(7)、分岐に間隔があるもの(8)、糖鎖の分岐が3つあるもの(9)、これら7種のモデル化合物の合成を行った。合成戦略としては、三糖トリクロロアセトイミデ-ト体をドナーとして、セリルプロリン誘導体と縮合後、ペプチド部分のC末端、N末端を各々遊離とさせた三糖セリルプロリン誘導体及びジペプチド独自の誘導体、計四種誘導体を適宜組み合わせることによりブロック合成を行い、目的とする7種の糖ペプチドへと誘導した。尚、縮合剤としてはEEDQを、脱保護はTFAにて脱t-Butyl化、NaOMeにて脱アシル化、モルフォリンにて脱Fmoc化を行った。
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