研究概要 |
今まで我々の研究室で新しく合成した系-鉄とランタニドを含む4核錯体-をさらに発展させるべく多数のランタニドイオンを用いて良好な多核錯体を合成する試みを行ったが、現在はまだ、単結晶を得る所までいたっていない。 ランタニドイオンを含む多元系錯体の合成については、かなり進展している。ランタニドLn(NO3)2の硝酸塩とトリピリジン(terpy)とアセチルアセトナト(acac)(あるいはヘキサフルオロアセチルアセトナト,hfac)を含む四元系錯体を10数種単結晶として得られ、それらのほとんどを構造解析をした。その中でわかった興味ある結果は、以下の様である。 (1)acac系の場合、必ず、その組成は[Ln(terpy)(acac)(NO3)2]となる。構造は、terpyとacacが同一平面で歪んだ5角形平面を作り、その上下に硝酸イオンが配位している。 (2)hfac系の場合、必ず、その組成は[Ln(terpy)(hfac)2(NO3)]となる。構造は、terpyとhfacが同一平面で歪んだ5角形平面を作り、その上下にhfacと硝酸イオンが配位している。 この結果については現在論文に作成中であり、きたる5月に開かれる希土類学会で発表予定である。
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