研究課題/領域番号 |
08220243
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小川 昭弥 大阪大学, 工学部, 助教授 (30183031)
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研究分担者 |
平尾 俊一 大阪大学, 工学部, 教授 (90116088)
園田 昇 大阪大学, 工学部, 教授 (20083983)
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キーワード | ヨウ化サマリウム / 可視光 / 還元 / アルキルラジカル / チオール / イッテルビウムヨ-ジド / セレニド / 脱ハロゲン化 |
研究概要 |
最近われわれは、可視光の照射によりヨウ化サマリウムの還元能力が著しく高められることを見い出している。そこで本年度は、ヨウ化サマリウム-光還元系の還元特性の解明を目的に種々検討した結果、以下に示す成果を得た。(1)ヨウ化サマリウム-光系はアルキルクロリドの一電子還元に極めて有効であり、系中に容易にアルキルラジカルを発生することができる。さらに、アルキルラジカルに対する還元は、従来のヨウ化サマリウム-HMPA系に比べて5〜70倍遅いことを明らかにした。これは、ヨウ化サマリウム-光系がアルキルラジカルを鍵中間体とする反応の設計に適していることを示している。(2)(1)の速度論的考察から、炭素ラジカルによる水素引き抜き速度が10^7M^<-1>s^<-1>のオーダーであるチオールをヨウ化サマリウム-光系に組み込んだ還元系が、有効なラジカル的水素化法となることが明らかとなり、gcm-ジクロロシクロプロパンの新還元法が開発された。(3)炭素-16族原子単結合の還元をヨウ化サマリウム-光系を用いて行った結果、トシラートの還元が温和な条件下効率良く進行した。さらにアルキルセレニドの還元が、遮光条件下ではまったく進行しないのに対し、可視光照射下では定量的に進行することが明らかとなった。(4)光によるヨウ化サマリウムの活性化が、他の2価サマリウム種についても可能なのかを明らかにする目的で、2個のイッテルビウムヨ-ジドについて検討した結果、遮光条件下ではアルキルブロミドの還元はほとんど進行しなかったのに対して、光照射条件下では極めて効果的に還元が進行することが明らかとなった。
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