• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 実績報告書

高分子鎖の包接現象と包接に伴う結晶化による分子認識

研究課題

研究課題/領域番号 08221217
研究機関大阪大学

研究代表者

原田 明  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80127282)

研究分担者 蒲池 幹治  大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40028163)
キーワード包接 / シクロデキストリン / 分子認識 / 超分子 / 結晶化
研究概要

シクロデキストリンと種々の種々のポリマーとの包接錯体を調製した。α-シクロデキストリンとポリ-ε-カプロラクトン、ポリエチレンアジペ-ト、ポリブチレンアヂペ-トのようなポリエステル、β-シクロデキストリンとポリプロピレン、γ-シクロデキストリンとポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレンとの錯体を合成した。シクロデキストリンの水溶液中にポリマーを加え、加温しながら超音波を照射する事により錯体を調製した。この錯体の構造を粉末X-線や固体の核磁気共鳴スペクトルにより検討した。その結果、シクロデキストリンとこれらのポリマーとの錯体は化学量論的であり結晶性でシクロデキストリンが円筒状のカラムを形成し、シクロデキストリンが形成するトンネルの中にこれらのポリマーが取り込まれていることがわかった。シクロデキストリンとテトラエチレングリコールジブロミドやヘキサエチレングリコールとの包接錯体の単結晶のX線構造解析を行った。結晶中で隣り合うシクロデキストリンの2級水酸基同士が水素結合で結合し、1級水酸基同士は1分子の水を介して水素結合を形成トンネルを形成していることがわかった。このような強固な水素結合のネットワークの形成により、トンネル構造が安定化している事が明かとなった。そのトンネルの中にエチレングリコール鎖が取り込まれている事が明らかになった。このようにシクロデキストリンは種々のポリマーを選択的に取り込み、特徴的な包接錯体を形成することが明らかになった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] A.Harada,S.Suzuki,M.Okada,M.Kamachi,: "Preparation and Characterization of Inclusion Complexes of Polyisobutylene with Cyclodextrins" Macromolecules,. 29(17). 5611-5614 (1996)

  • [文献書誌] A.Harada,H.Adachi,Y.Kawaguchi,M.Okada,M.Kamachi,: "Complex Formation of Cyclodextrins with Cationic Polymers" Polym.J.28(2). 159-163 (1996)

  • [文献書誌] A.Harada: "Supramolecular Architectures Consisting of Polymers and Cyclodextrins" Coord.Chem.Rev.148(1). 115-133 (1996)

  • [文献書誌] A.Harada: "Supramolecular Assemblies through Macromolecular Recognition by Cyclodextrins" Supramolecular Science. 3(1-3). 19-23 (1996)

  • [文献書誌] A.Hashidzume,A.Kajiwara,A.Harada,M.Kamachi: "Polymerization of an azastyrene derivative,1,1,6-Addition Polymerization of 2,6-diisopropyl-N-methyleneaniline" Macromol.Rapid Commun.17. 529-537 (1996)

  • [文献書誌] 原田明: "21世紀に向けて高分子化学・技術の目指すもの-分子認識による高分子合成" ペテロテック. 19. 824-826 (1996)

  • [文献書誌] A.Harada: "Large Ring Molecules" John-Wiley,26 (1996)

  • [文献書誌] A.Harada,B.Zsadon: "Comprehensive Supramolecular Science" Pergamon, 13 (1996)

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi