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1996 年度 実績報告書

包接化合物結晶の安定エネルギーと固相反応過程の熱的追跡

研究課題

研究課題/領域番号 08221231
研究機関近畿大学

研究代表者

高木 定夫  近畿大学, 理工学部, 教授 (80088369)

研究分担者 藤澤 雅夫  近畿大学, 生物理工学部, 助手 (20258065)
木村 隆良  近畿大学, 理工学部, 助教授 (30140304)
キーワード固相反応機構 / キラル反転を伴う反応熱 / 包接化合物結晶 / ゲスト分子の脱離機構
研究概要

1.包接化合物結晶の格子エネルギーとゲスト分子の分子構造・結晶構造との相関:コール酸をホストとし,アセトフェノン,エタノール,メタノール,水をゲストとするコール酸包接化合物結晶から,それぞれのゲスト分子の脱離温度,熱量変化,脱離後のコール酸結晶の融解までの熱的挙動を明らかにし,標記の相関を考察した。また,全ての場合にゲスト分子の脱離したのちに,包接構造を失っていない準安定コール酸結晶を得ることに成功した。これらのコール酸は安定なコール酸に転移したのち融解することを見出した。この際の熱的データを得るとともに,包接化合物,準安定コール酸などのメタノールへの溶解エンタルピーを測定し,それらの相互間の安定化エンタルピーの相違を明かにした。2.キラル化合物などの粉体接触による固相反応熱の測定:固体状態でホスト化合物の粉末とゲスト化合物の粉末を混合することにより,包接化合物結晶が生成し,この包接過程でゲスト分子の立体配置がホスト分子のキラリティーと誘導されて反転することが戸田,宮本により見出されている。この反応熱を追跡するため,酒石酸から誘導した光学活性ホスト分子とメタノールとの錯体粉末とN-エチル-N-イソプロピルフェニル グリオキンド結晶粉末を混合し,超高感度ミクロカロリメーター内で,粉末接触による固相反応に基づく僅かな発熱の検出に成功した。3.熱力学の立場から結晶環境下での反応機構の解明:コール酸の包接化合物からのゲスト分子の脱離反応過程について,TG-DTAにより小澤プロットによる解析を行ない,初期の脱離過程が無限円柱型の核酸律速であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Kimura: "Thermal behaviours of inclusion compounds of cholic acid" Mol. Cryst. Liq. Cryst.276. 133-139 (1996)

  • [文献書誌] 藤澤雅夫: "水溶液中におけるシクロデキストリンによる包接挙動の分子シミュレーション" 近畿大学理工学部研究報告. 32. 15-17 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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