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1996 年度 実績報告書

古細菌の活動記録解読のための堆積高分子有機化合物の利用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08228214
研究機関九州大学

研究代表者

村江 達士  九州大学, 理学部, 教授 (50011747)

研究分担者 北島 富美雄  九州大学, 理学部, 助手 (40274427)
キーワード好熱好酸性菌 / 古細菌 / surfolobus / 熱分解GC / MS / 堆積物 / 堆積高分子有機化合物 / 脂質
研究概要

比較的初期の地球は,高温であり海洋は酸性であったと考えられている。従って,好熱好酸性の細菌は,地球史上の早い時点で地球上の広範囲の地域で活動した可能性がある。その活動記録を,堆積物の中から読み取るための基礎データの集積を本研究では目的とした。別府温泉の温泉源の一つである釜戸地獄より資料を採取し,surfolobus acidocaldariusnの生育至適条件で培養し,限界希釈とコロニー分離により,好熱好酸菌を単離した。増殖の状態や抗生物質に対する感受性,脂質成分のクロマトグラフィー的挙動やIRスペクトルから,単離された菌はsurfolobusに属する古細菌であることを確認した。この菌を定常期まで増殖させ,分離・洗浄した菌体を,直接熱分解GC/MSで分析した。同じ条件で得た菌体から脂質成分のみを分離して,熱分解GC/MSで分析したところ,菌体を直接熱分解した場合と類似性の高いパイログラムを得た。このことから,菌体を直接熱分解することにより,脂質成分に関する情報が的確に得られることが判明した。熱分解温度を種々変化させ,590℃で熱分解した場合に,最も多くの分解生成物が得られることが判明した。そこで,この菌を温度とpHを変化させて培養し,得られた菌体を同じ条件で熱分解GC/MSで分析したところ,分解生成物の分布に明らかな差が見られた。この菌の採取地点における堆積物から抽出される有機物をGC/MSで分析したところ,古細菌脂質に由来したと考えられる成分が検出された。この堆積物を酸処理して得られる高分子有機化合物を上記と同じ条件で熱分解GC/MSで分析したところ,上記の菌体の熱分解生成物とと類似の成分の存在が確認された。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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