球状素構造の基本型であるラクトース型シュガ-ボール(ラクトース誘導体置換ポリ(アミドアミン)デンドリマ-)(第3.0世代)の重水中での超分子集合体の形状およびサイズを中性子小角散乱法により検討した。Guinier plotにより計算した結果、半径が400Å以下の球状集合体を形成していることが明らかになった。さらに、両親媒性球状素構造の化学合成法として(a)Divergent/Convergentジョイント法、(b)Divergent/Divergent法の確立を行った。特にDivergent/Convergentジョイント法は、部分保護開始核を用いて、Divergent法で多重分岐鎖を合成し、その後開始核の脱保護を行い、再びDivergent法で分岐鎖を形成する新しい方法である。この方法は、両親媒性の表面ブロック型デンドリマ-やセグメントブロック型デンドリマ-を合成するうえで、ある程度大きな合成スケールで構造が明確な表面ブロック型球状構造を形成できる利点がある。具体的には、片方のアミノ基をベンジルオキシカルボニル基(Z基)で保護したエチレンジアミンを開始核として用い、アクリル酸メチルとのマイケル付加と、エチレンジアミンとのアミド形成反応とを繰返して半球状ポリ(アミドアミン)ブロックを合成した。末端アミノ基と無水フタル酸との反応により、フタルイミド化し疎水性半球ブロックを形成した。開始核のZ基を接触還元により脱保護しアミノ基に変換した。この中アミノ基から再びマイケル付加とアミド形成反応とを繰返して半球状ポリ(アミドアミン)ブロックを形成した。末端アミノ基は不安定であるので表面は水酸基となるように最後のアミド形成反応にはエタノールアミンを用いて、両親媒性デンドリマ-を得た。
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