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1996 年度 実績報告書

有機-有機ヘテロ構造形成過程における均質エピタキシャル層成長制御

研究課題

研究課題/領域番号 08231241
研究機関京都大学

研究代表者

星野 聡孝  京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80263151)

研究分担者 宮地 英紀  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90025388)
キーワード成長様式 / 結晶成長 / エピタキシ- / エピタキシャル成長 / ヘテロ界面 / 格子整合 / 有機超薄膜 / 走査型トンネル顕微鏡
研究概要

本年度は研究開始初年度であり,まず分子線エピタキシ-装置の作製から行った.この装置を用い,主として,有機-基板結晶界面構造と,無機単結晶基板上に作製した有機薄膜の成長様式の観察を行った.対象とした有機分子は,銅フタロシアニン(CuPc)、塩素化銅フタロシアニン(CuPcCl16)などである.
これらの単分子膜のSTM像には,1次元的かつ超周期的な変調コントラストが現れており,このコントラストが示すように,この膜はエピタキシャル成長をしており,特に界面において1次元的な格子整合性(point-on-line coincidence)が生じていることが確かめられてた.この格子整合性は,基板表面の基本格子線上に有機超薄膜2次元格子の全ての格子点が位置するというものである.更に成長を続けたCuPcCl16薄膜の観察から,CuPcCl16は単分子層膜上に3次元核を生成して成長していくことがわかった.これは,古典的な結晶成長様式分類におけるStranski-Krastanov型に対応する.これに対して,perylene-3,4,9,10-tetracarboxylic-dianhydride (PTCDA)の場合には,少なくとも3層程度は,層状成長していることがSTMから確かめられた.さらに成長を続けたPTCDAを透過型電子顕微鏡で観察すると,やはり3次元核成長をしていることが確かめられた.このように層状成長から3次元核成長へと転じる臨界膜厚は,分子によって異なることがわかった.
次年度は,さらに有機エピタキシャル膜の成長様式を調べ,臨界膜厚が何によって決まっているのかを,特に成長条件と分子間相互作用の観点から明らかにしていきたい.そして,層状成長を続ける条件を明らかにした後,この上に更に別種の有機分子を成長させ,その界面構造を明らかにすることを試みる予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Satoshi Irie: "Point-on-line coincidence in epitaxial growth of CuPcCl_<16> on graphite" Applied Surface Science. (in press).

  • [文献書誌] 星野聡孝: "有機エピタキシャル界面構造のSTM解析" 電子顕微鏡. 30・1. 10-14 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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