研究課題/領域番号 |
08231246
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
伊東 忍 大阪大学, 工学部, 助教授 (30184659)
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研究分担者 |
末延 知義 大阪大学, 工学部, 助手 (90271030)
福住 俊一 大阪大学, 工学部, 教授 (40144430)
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キーワード | ビオローゲン / 分子集合体 / 金属錯体 / 酸化還元機能 / ラジカルカチオン / 分子間相互作用 / Creutz-Taube型錯体 / 電荷移動型相互作用 |
研究概要 |
平成7年度においては、分子系超構造を創成するための材料となる複素環配位子を有するビオローゲンの誘導体としてピリジルビオローゲン(Py2V)を合成し、その物性や化学的性質を調べるとともに、三つの酸化状態(還元体、ラジカルカチオン体、およびジカチオン体)をそれぞれ単離し、それらの構造や電子状態について、紫外-可視スペクトル、NMR、ESRおよび分子軌道計算などをフルに活用して検討を行った。平成8年度においては、これまでに得られた知見を基にして、分子系超構造創成のための基礎となるCreutz-Taube型一次元複核錯体や自己会合四量体などを調製し、それらの構造、酸化還元挙動、電子状態、ホストーゲスト相互作用などについて検討を行い、多くの重要な知見を得ることに成功した。特に、複核錯体分子の構造や電子状態ならびに金属間の電子移動速度などは本研究の目的である酸化活性活性な分子系超構造形成のための基礎となるので、これについて重点的に検討を加えた。遷移金属としては主にパラジウム、白金、カドミウムなどを用いて目的とする一次元および二次元錯体を合成した。さらにビオローゲンの複素環置換基の種類や遷移金属の種類などの異なる複核錯体を合成し、それらの化学的性質や酸化還元挙動などを明らかにした。ピリジルビオローゲン(Py2V)はそれ以外にも、分子間での水素結合や電荷移動型相互作用を形成出来るので、それらを利用した分子集合体の可能性についても検討し、有用な知見を得ることができた。
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