本研究では、タンパク質の特定部位に分子認識性の人工分子インターフェイスを導入して、任意の組織構造化能を有する機能性人工タンパク質の設計指針を確立することを究極の目的としている。 本年度は、そのような人工インターフェイスの検索を行い、2つの有効な機能分子を見い出した。一つは、水中でも糖類などと結合可能なフェニルホウ酸である。これを導入したミオグロビンは、糖類の結合によって安定化し、かつ触媒活性が糖類に応答して増幅することが明らかになった。 もう一つは、遷移金属イオンと高い錯化能をもつイミノニ酢酸であり、これは金属イオン添加に応答して電子伝達速度の加速をミオグロビンにもたらすことがわかった。これら2つのインターフェイス分子を導入したタンパク質の界面での配向性などを現在さらに検討中である。
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