常温におけるナノスペース中でのNOからのN_2生成 273Kから423KにわたりFT-IRにより気相成分とその濃度の時間変化からRu超微粒子高分散ACF上でのNOの反応を調べた。気相にあるNOのP、Q、Rブランチが反応開始と同時に急激に減少し、反応にNO_2とN_2Oの吸収ピークが現われ、吸収が増大する。ここでNO_2とN_2OのピークがNOのそれに比べて大きいが、吸光係数が100倍以上違うため、発生したN_2O(あるいはNO_2)はNOとの比で表わすと、大きくても0.005にすぎない。NOの吸光度の時間変化を調べると、303Kと323Kでは10分以内に反応がほぼ完了しており、423Kより著しく速い。質量分析によると、NOはN_2になっており、収率としては0.8を超えている。収率と速度ともに、303Kが最大である。また、NOは反応していないが吸着されているものもある。還元分と吸着分とを加えると、303KでのNO除去率はほぼ1となる。今のところO_2は実測されていない。
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