研究概要 |
1.[(η^5-C_5Me_5)Ru(μ_3-OH)]_4とアセチレン類との反応 錯体1とアセチレンジカルボン酸メチルとの反応では、アセチレンジカルボン酸メチル2分子が取り込まれて一方のルテニウムと5員環ルテナサイクルを形成し、他方のルテニウムにルテナサイクルの一部がη^3-アリル型に配位していることが判った。二核錯体が生成することが判った。また、この反応ではルテナサイクルのα位には架橋ヒドロキソ配位子に由来すると考えられる酸素原子が導入されていることもわかった。 2.[(η^5-C_5Me_5)Ru(μ_3-OH)]_4と第一アミン類との反応 錯体1と第一アミン類との反応では三核錯体を生成することが判った。三核錯体はいずれも三核ルテニウム面の一方に三重架橋オキソ配位子、他方に三重架橋アミド配位子を持ち、架橋ヒドリドが1つあることが判った。また、1にナトリウムアミドを作用させると三核ルテニウム両面に三重架橋アミド配位子を持つビスアミド三核錯体が同時に生成することが判った。 3.[(η^5-C_5Me_5)Ru(μ-H)(μ-OC(=O)CF_3)]_2(2)と1,1-ジハロアルカン類との反応 カルボキシラト架橋二核錯体2に塩基の存在する反応条件下で1,1-ジハロアルカン類を作用させると二核アルキリデン錯体が生成することがわかった。いくつかの基質や反応条件を検討し、錯体2は塩基存在下で一般に反応性が向上することがわかった。
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