研究課題
本年度は、以下の研究を実施した。1.移動ロボット実験環境および画像入力系の整備まず最初に移動ロボット実験環境と動画像入力系の整備を行ない、動画像の無線伝送が可能な移動ロボット実験プラットフォームを構築した。2.移動物体抽出・追跡法の開発カメラの移動に伴う静止背景の見かけの働きを検出するために、ロバスト統計の考え方を援用し、画像内の支配的な動きを検出する手法を開発した。さらに、この支配的な動きに基づいて連続する画像フレーム間での背景の位置合わせを行ない、位置合わせ後の差分処理によって動物体領域を抽出する手法を開発した。本手法の有効性を実験的に検証した。また、輪郭の交差を判定することによって分裂・統合を繰り返す分裂統合型動的輪郭モデルにより、一時的な見かけの重なりを有する複数移動物体の輪郭追跡を可能にした。3.実時間処理の予備実験移動物体追跡の実時間処理に着手した。具体的には、上記2の分裂統合型動的輪郭モデルを信号処理(DSP)ボードに実装し、5フレーム/秒の実時間処理を実現した。人間の歩行程度の動きは安定に追跡できることを確認し、実環境での移動物体追跡の実時間処理について明るい見通しを得た。
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