本研究では、CANGAROO望遠鏡と同じ機能のカメラ平成10年完成予定の「すばる望遠鏡」の主焦点に取り付けてガンマ線観測を行なうためのシステムを準備を行なった。ガンマ線PMTカメラの集光器の設計は、CANGAROO望遠鏡で進行中の大口径望遠鏡計画で用いるPMTカメラの集光器の設計も兼ねて行なった。集光器の形状を決めるために色々な形状を考え、その集光率をシミュレーションによって計算した。曲面によって反射面を成形するのは困難であるが、比較のため曲面形状による集光率のシミュレーションも行なった。シミュレーションは望遠鏡の口径が7mと10mの場合について行なった。7m口径についての結果はやはり曲面形状のものが集光率75.5%と一番良いが、その曲面を平らな多面で近似したものでも74.0%の集光率が得られ、反射面を容易に成形できる平面タイプで充分なことが判った。次期CANGAROO望遠鏡と同じ口径10mの場合は、鏡からの反射光が大角度でカメラへ入射するため、集光率は60%になる。また3.8m鏡用に開発した集光器を用いて反射材を試験したところ、メッキしたものより、アルミマイラシートを張り付けるほうが、集光力が10%程良いことが判った。 コンパクトなデータ収集システムの一部として、32チャンネルのCAMAC・ADCモジュールを購入した。これはガンマ線PMTカメラの読み出し用である。CANGAROO3.8mデータ収集システムも、TKO・KIM・CAMAC・VME(OS9)を用いたものからVME(OS9)の代わりにVME(SUN OS)が導入されたので、このシステムで「すばる望遠鏡」による観測も行なえるように、モジュールのテストなどを行なっている。
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