研究課題/領域番号 |
08239101
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
福田 共和 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (50116092)
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研究分担者 |
輿曽井 優 京都大学, 大学院理学研究科, 助手 (80183995)
竹内 富士雄 京都産業大学, 理学部, 教授 (40121537)
仲澤 和馬 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (60198059)
家入 正治 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (50192472)
永江 知文 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (50198298)
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キーワード | ハイパー核 / ストレンジネス / ダブルラムダ核 / グザイ核 / H粒子 / 中間子弱崩壊 / 円筒型検出器系 / エマルション・カウンター複合実験 |
研究概要 |
本研究は、ダブルラムダハイパー核(ΛΛ核)を従来の二桁以上多量に生成し、その性質を調べることを目指している。そのために、二つの相補的な実験を行った。一つは、円筒型検出器系(CDS)とブルックヘブン国立研究所(BNL)AGS加速器の高強度K^-ビーム(10^6/秒、運動量1.8GeV/c)を用い、ΛΛ核からの2回連続崩壊するπ^-中間子をCDSで検出し、比較的軽いAA核の同定を行う(E906)。他の方法は、エマルジョンカウンター複合実験法を用いて、エマルジョン中にΞ^-粒子を約10^3個(従来の10倍以上)静止させ、質量が10程度のS=-2核を検出する(E373)。 E906実験については、本年度9月より本格的なデータ収集に入り、11月末までビームを照射し、良質のデータが収集できた。2つのπ^-を放出して崩壊するイベントについての予備的な解析では、興味ある運動量範囲に、Ξ粒子の崩壊から予想されるイベント以外の成分が多く観測されており、今後の調整でCDSの運動量分解能が向上する事により、ΛΛ核からの2回連続崩壊するπ^-中間子を同定できると期待している。 複合実験(E373)では、平成10年2月から5月末にかけて乾膜35リットルのエマルション(45スタック)に、約700時間の照射を行った。スペクトロメータの予備解析の結果では、約5.0×10^4個の(K^-,K^+)イベントを蓄積できたと推定される。またファイバーの画像も良好であった。その後エマルションは、500μm厚の乾板の厚み方向の位置に関係なく、100μmあたり28〜30個の現像銀を得るという、非常に均一な感度を持たせた現像を10月までに終了した。
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