研究分担者 |
糸永 一憲 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (90029546)
山本 安夫 都留文科大学, 文学部, 教授 (80124866)
岡 真 東京工業大学, 理学部, 教授 (60144606)
矢崎 紘一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (60012382)
赤石 義紀 東京大学, 原子核研究所, 教授 (50001839)
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研究概要 |
1.Λ,Σハイパー核の分光学的研究 (1)軽いΛハイパー核(A=6,7)に対して,従来のα+x+Λモデルをrefineした詳細な計算が実行されて信頼性を高めるとともに,Nハロ-やストレンジネス・ハロ-等の新しい興味ある様相の提起がなされた。 (2)^4He(in-flight/stopped K^-,π^±)反応の理論的解析が精力的に行われ,最近のBNL実験の解析と対応して,^4_ΣHeの束縛状態の存在を確証する上で大きく貢献した。また,ΣNN3体状態の構造解析が進展した。 2.S=-2のハイパー核の生成と構造変化 (1)(K^-,K^+)反応によるΞ核状態生成を経由する方法が提起され,具体的に^9Be核をターゲットとした場合についてダブルΛ核の生成率を評価し,一方で弱崩壊の様相を理論的に予測した。 (2)(K^-,K^+)反応および静止Ξ^-吸収反応におけるS=-2系の生成と破砕の過程について,微視的なシミュレーション行い,2段階過程の重要性等を明らかにした。(3)静止Ξ^-が核が吸収されるとき,液体Heや中性子過剰核をターゲットにすれば非常に高い割合でダブルハイパー核ができることが示された。 3.Y-NおよびY-Y相互作用 (1)Quark模型による研究では,SU(3)対称性の制限が強い長距離での中間子交換と,短距離でのquark交換の双方の効果による反対称LS力の現れ方について調べた。 (2)S=-2系のbaryon間相互作用に関連して,Hの存在を仮定したH-N相互作用を研究し,Hが原子核に束縛される可能性が高いこと,またH-H相互作用の斥力引力要因を調べた。 4.ストレンジネス原子核の崩壊過程と弱相互作用 (1)非中間子型崩壊について,π交換に加えて2π/ρ交換および2π/σ交換を取り入れると,s殻ハイパー核の崩壊幅はほぼ説明できるが、比Γ_n/Γ_pはまだ不十分であること等が示された。(2)クォークの4体弱相互作用によるDirect Quark過程があり,Γ_n/Γ_p比の説明や,ΔI=3/2遷移の重要性が指摘された。
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