研究課題/領域番号 |
08240203
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 武郎 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00004424)
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研究分担者 |
澤田 安樹 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90115577)
高木 伸 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90124594)
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キーワード | 量子核形成 / 巨視的量子現象 / 量子摩擦 / 一次相転移 / ^3He-^4He混合液 |
研究概要 |
本研究は^3He-^4He混合液が有する量子的特性を活用して、400μK-900mKという広い温度域、0気圧-25気圧という広い圧力域において、^3He希薄相における^3Heの臨昇過飽和濃度を探求し、量子核形成を疑いの余地なく実証することを視野において、超低温における相分離現象の本質を明らかにすることを目的としている。 我々が開発してきた超流体移送法による独自の実験手段を更に進展させ、上述の広い温度域、圧力域において、過飽和状態を実現させることに成功した。 現在まで得たデータは、(1)10mK-400μKの温度域で臨昇過飽濃度が温度に依存しなくなるという特徴的振舞を示している。これは量子核形成を強く示唆するものである。 (2)10mK-200mKの温度域で臨昇過飽和濃度は温度と共に増加するという特徴的振舞を示している。これは、量子核形成に対する散逸の効果を示唆するものである。 上記の実験結果に対する理論的考察を行いつつ、更にデータ領域を拡大することを現在進行させている。と同時に散逸の効果を調べるための超音波実験を新しく計画し、その準備はほぼ完了した.
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