研究課題/領域番号 |
08240218
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研究種目 |
重点領域研究
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
馬宮 孝好 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20022600)
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研究分担者 |
長岡 洋介 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (60022539)
岩橋 克聡 名古屋大学, 情報文化学部, 助教授 (40022602)
松下 琢 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00283458)
三浦 裕一 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30175608)
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キーワード | 量子固体 / 空格子 / 零点空格子波 / スピンポーラロン / 固体^3He / 減圧固体 |
研究概要 |
空格子波に起因するスピンポーラロンの研究と減圧固体中の零点空格子波の研究を行った。 1.非平衡空格子に起因するスピンポーラロンについて (1)現有の希釈冷凍機に核断熱消磁装置をとりつけ、これに比熱計および圧力計を取り付けた。温度計として、^3He融解圧温度計、白金NMR温度計及びRuO_2抵抗温度計を取り付けた。断熱消磁を行ったところ、数10ナノWの熱流入があった。24.05cm^3/モルの^3He固体の比熱と圧力を測定したが、まだスピンポーラロンの検出には至っていない。磁気焼鈍によって空格子を消失させるテストとして、7T/1時間程度の早さでサンプルに磁場をかけたが、めだった温度上昇はなく、第1段階としてこの方法は可能であることが判明した。鋭意、装置の改善と測定を続行している。 (2)また一方24.68cm^3/モル、24.57cm^3/モルの^3He固体に対するねじれ振り子の実験から、共鳴周波数、Q値、信号振巾及び圧力の温度変化と時間変化を測定した。これらの値から格子欠陥の動きに関する緩和時間や、格子欠陥のピン止めのポテンシャルエネルギーを導出した。これらの量には種々の格子欠陥によるものが混在している可能性があり複雑である。空格子波に関するものの同定を目指し、さらに実験を続行している。 2.零点空格子波について 本年度予算で購入したパルスNMR検出装置及び高均一度15Tマグネットを組み合わせてパルスNMRのテストを行っている。一方固体^3Heをtransientに減圧するセルと480MHzまでのパルスNMRプローブを製作中である。これらの装置を使用して固体^3Heを減圧し、零点空格子波をNMRによって検出する。
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