研究分担者 |
伊東 彰義 日本大学, 理工学部, 教授 (60059962)
城岡 竜一 農林水産省, 北海道農業試験場, 研究員 (30226328)
坪木 和久 東京大学, 海洋研究所, 助手 (90222140)
遊馬 芳雄 北海道大学, 大学院・理学研究所, 講師 (10183732)
菊地 勝弘 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80000793)
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研究概要 |
レーダー観測データーと衛星計測データーを比較し,雲のタイプ分けと降水強度推定方法の開発を行なうことを目的として以下の研究を行った.(1)1995年夏期の関東地方の三次元レーダーデータを収集し,レーダー反射強度(降水強度)の三次元構造を解析した.また,レーダー反射強度の三次元データーから降雨特性を推定する方法を検討した.(2)1997年1〜2月に石狩湾周辺における雪雲のレーダー観測を行ない,衛星データーやマイクロ波放射計搭載の飛行機の観測データーと比較できる3次元レーダーデーターセットを作成した.また,日本海北部の雪雲の内部構造を解析して,海上の雪雲の特性を明らかにした.(3)1996年7〜9月の石狩平野における降雨の鉛直ドップラーレーダー観測により,レーダー反射強度と鉛直速度の連続データを取得し,層状雲と対流雲の鉛直構造の時間変化の特徴を解析した.(4)札幌における日雨量とGMS-5の1Rと水蒸気チャンネルのTBBの変化の解析から,降雨時には特に水蒸気チャンネルのTBBの低下が大きいことをみいだし,GMS-5の1Rと水蒸気チャンネルのTBBから降水強度の推定方法の可能性を示した.(5)気象庁レーダーとGMSより非断熱加熱を推定し,JSMの初期値に取り込み,梅雨期のクラウドクラスター(1988年7月15日九州の例について)について数値実験を行ない,非断熱加熱を考慮することが積雲列の予報に必要であることを示した.(6)積乱雲の数値モデルの一つ,ARPS,を用いた梅雨期の積乱雲の数値実験行ない,ARPSを積乱雲の数値実験に使用できることを確かめた.これらの観測・解析及び数値実験の結果から,雲頂の凹凸を見る方法も含めた,衛星計測データによる雲の三次元構造と雲内の降水強度の三次元構造の推定アルゴリズムを開発するための検討事項を整理した.
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