研究課題/領域番号 |
08241111
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
久保田 雅久 東海大学, 海洋学部, 教授 (90147124)
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研究分担者 |
木津 昭一 東北大学, 大学院理学研究科, 助手 (40241517)
岩坂 直人 東京商船大学, 商船学部, 助教授 (60211760)
淡路 敏之 京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (40159512)
今脇 資郎 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (40025474)
轡田 邦夫 東海大学, 海洋学部, 助教授 (40205092)
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キーワード | 大気海洋相互作用 / 短波放射 / 長波放射 / 潜熱 / 顕熱 / エルニーニョ / マイクロ波散乱計 / マイックロ波高度計 |
研究概要 |
海洋はその熱容量の大きさから、地球の気候を穏和にするレギュレーターの役割を果たしている。すなわち、太陽から受け取る地球上のエネルギーのかなりの部分は、一度海洋に貯蔵された後、大気に解放される。そこで、海面を通しての海洋と大気の相互作用は地球全体の気候システムにとって非常に重要な役割を果たしていることは明らかである。しかしながら、広い範囲にわたる大気海洋相互作用を正確に理解することは、船などの現場観測データからは到底不可能である。そこで、本研究では、主に人工衛星データを利用して、大洋域での大気海洋相互作用の実態を明らかにすることを目的としている。海面での熱の輸送に関しては、短波・長波の放射フラックスと潜熱・顕熱の乱流熱フラックスが関係している。海洋から大気への熱輸送は、大気大循環の駆動力であるという意味では気候システムにとって本質的な部分である。放射フラックスについては、主に人工衛星GMSに搭載された熱赤外放射計データを、また乱流熱フラックスについては主に人工衛星DMSPに搭載されたマイクロ波放射計データを用いて推定を行った。一方、海面での運動量フラックスは海洋大循環の駆動力であり、海洋によって運ばれる熱量の計算などには重要な要素である。そこで、本研究では人工衛星ADEOS、あるいはERS-1,2に搭載されたマイクロ波散乱計のデータを利用して、海面での運動量フラックスを計算した。このデータを用いてエクマン熱輸送量などの評価を行った。また、1997-1998年に発生した今世紀最大と言われるエルニーニョ発生期における熱帯海洋上での風の変動についても詳しく解析を行った。さらに、海洋表層の循環による熱輸送量を求めるため、人工衛星TOPEX/POSEIDONに搭載されたマイクロ波高度計のデータを利用して、海面付近での地衡流場の推定を行った。海面高度計データは、正味の熱フラックスの季節変動を推定する目的のためにも利用された。
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