アメリカ合衆国NCEP(海洋大気庁全国環境予測センター)の「再解析」プロジェクトで作成された格子点気象データを用いて、全球規模の大気による水蒸気輸送の水平収束量の分布を求めた。 これと、Xie and Arkin(1996)による降水量の格子点データとから蒸発量を推算した。結果を再解析プロジェクトの中の予報モデルで計算されている蒸発潜熱フラックスおよびCOADSデータからバルク法で計算した(谷本による)ものと比較したところ、中緯度ではよく合っているが熱帯ではくいちがいが大きい。 水蒸気収束量の年平均値を大陸の大河川流域ごとに集計し、河川流量にもとづく流出量と比較した。沖ら(1995)がECMWF(ヨーロッパ中期天気予報センター)の現業(再解析ではない)の格子点気象データを使った同様な比較に比べて、くいちがいは全般にやや小さくなった。
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